WordPressアップデート後の問題事例とチェックの重要性

アバター画像
WEBマーケター 井上
2023年09月04日

先日、弊社が管理している中の1つのサイトで、Wordpress本体、プラグイン、デザインテーマのアップデート後に発生した問題と解決法をご紹介しながら、アップデート後のチェックの必要性・重要性についてお伝えしたいとます。

description重複問題と解決法

発生したのは、アップデート後に全ページのdescriptionが2つずつあり、そのうち1つは全ページ同じ文章のdescriptionになってしまったという現象です。

descriptionというのは、グーグルにページの要約内容を伝える文章で、グーグルの検索結果にページの説明文として表示されることが多くなっています。グーグルの検索結果に表示される赤枠の部分です。

ワードプレスでは通常、プラグイン等を利用して管理画面でページごとに説明文を手動で登録しますが、アップデート後、全ページのソースに、descriptionを自動出力する1行が加わっていました


<head>
<meta charset="UTF-8">
<meta name="description" content="<?php seo_description(); ?>" />

<!-- All in One SEO 4.2.9 - aioseo.com -->
<meta name="description" content="ここにページ内容の説明文が入っています。" />

太字部分はデザインテーマの初期設定で自動出力されるmetaタグで、サイトのローンチ前に削除していましたが、デザインテーマをアップデートした結果、初期設定の状態に戻ってしまいました。尚、このサイトはTCDのデザインテーマで制作しています。

このデザインテーマの初期設定では、descriptionにはキャッチフレーズ(管理画面>設定>一般)に入力した文章が自動で表示されるようになっています。キャッチフレーズに入力した文章が、全ページのdescriptionとして出力される状態に戻ってしまったということです。
ちなみにこの、descriptionの重複出力を解決するのは非常に簡単です。

管理画面の左サイドメニュー>外観>テーマファイルエディター
をクリックして、右の「テーマファイル」の中からheader.phpをクリックし、

<meta name="description" content="<?php seo_description(); ?>" />

の一行を削除して「ファイルを更新」。たったこれだけです。

この問題の解決は簡単ですが、もしこのことに気づかないままサイト公開を続けたら何が起こっていたと思いますか?

問題に気づかなかったら起こること

この問題に対処しなかった場合、全ページのdescriptionが同じ文章(管理画面の「キャッチフレーズ」の文章)になってしまいます。

グーグルは、ページごとに内容を正確に要約するdescriptionを設定することを推奨しています。

避けるべき事項:
サイトのすべてのページや多数のページにわたって1つのメタディスクリプションタグを使用する。

引用:Google公式 SEOスターターガイド

しかも、キャッチフレーズ欄には大体シンプルな説明しか入力しない、または、サイト名と同じにすることが多いので、例えば全ページの説明文が「●●の公式サイトです。」になってしまうことになります。その結果、2つの大問題が発生する可能性があります。

  1. 全ページの説明文が同じになり、同じ様なページが多数あって質が低いとグーグルに認識され、サイト全体の評価が落ちる⇒検索順位が落ちる
  2. ページ内容の魅力が伝わらないので、検索ユーザーのクリック率が落ちる⇒アクセス数が減る

TCD等、市販のデザインテーマでAll in One SEO Packを使っている場合、テーマ側で自動的に出力するよう予め設定されているdescriptionと、All in One SEO Packが出力するdescriptionのどちらもが有効になってしまうことがほとんどです。

制作会社に依頼した場合は、重複しないように納品前に制作会社が調整しますが、納品後、自社でアップデートしたら調整がリセットされてしまい、問題が発生してしまうことになりますので、Web担当者様は充分にご注意ください。

All in One SEO Packだけアップデートした時も、titleとdescriptionの設定内容が変わってしまう場合があります。All in One SEO Packを使っている場合、WordPress本体、プラグイン、デザインテーマをアップデートしたら、必ず、全ページのtitleとdescriptionが正しく設定されているかチェックすることをお勧めします。

アップデート後のチェックで損失を未然に防ぐ

ワードプレスのサイトで情報発信されている法人様は多数いらっしゃると思いますが、意外と軽視されているのがアップデート後のチェックです。

管理画面にアクセスすると、「Wordpressの新しいバージョンがあります」「新しいバージョンの●●が利用できます。更新してください」といった表示をしょっちゅう目にするかと思います。

アップデート、更新自体は誰でもクリックするだけで簡単に完了します。しかし、アップデート後に、サイト内で問題が発生していないかチェックはできていますか?

今回ご紹介した問題は比較的軽度な部類ですが、深刻な場合は、

  1. 管理画面にログインできなくなった
  2. 画像が表示されなくなった
  3. 下層ページの表示が崩れていた
  4. 何らかの機能が動かなくなった
  5. 問合せフォームからメールが送れなくなった

等、UX(ユーザーエクスペリエンス=サイトで得られる体験)を損なう重大な問題が発生する可能性があります。Web担当者としては、それに気づかずに放置することは避けなければなりません。

問題発生を未然に防ぐため、Wordpress本体、プラグイン、デザインテーマのアップデートを実施する際は、必ずアップデート後のチェックまでワンセットでおこなうようにしてください。アップデートすればOK、ではありません。

弊社では、サイトに問題が発生しないように本番環境とは別に開発環境を設け、まず開発環境でアップデートして問題がないか確認してから本番環境でアップデートを実施しています。アップデート後は、品質管理のプロであるQAエンジニアが、数時間かけてくまなくチェックをおこなっています。

もしアップデート後に何か問題が発生した場合は、元のバージョンに戻すなどの復旧作業も必要です。専門知識がない方が簡単にあれこれアップデートしてしまうのは避けた方が良いでしょう。

「問題が起きるのが怖くてアップデートができず困っている」「サイトに問題がないかプロにチェックしてほしい」というお客様のお役に立てるよう、弊社ではワードプレスのアップデート、チェック、障害復旧等のサポートサービスもご提供しております。もしご興味がございましたら、下記のボタンをクリックしてご覧ください。

この記事を書いた人

アバター画像

WEBマーケター 井上

横浜市在住のWEBマーケター。前職は不動産管理会社のWeb担当。お客様の気持ちをつかむコンテンツ設計や集客全般を担う。SEO対策とUI/UXの改善を組み合わせたCV数増加施策が得意分野。

投稿者の記事一覧を見る

2023年09月04日

       

記事のカテゴリ:

« »
       
Webエンジニア・プログラマー募集中
       
このページのトップへ